<年末年始特集>2022年資金フロー:国際株式型が3年連続トップ、バランス型、国内株式型伸びる(1)
2022/12/30 16:14
2022年(11月までの累計)の国内公募追加型株式投信(ETF除く)への純資金流出入額は7兆598億円の純資金流入となった。モーニングスターの推計によると12月も27日までに8191億円の純資金流入となっている。通年では8兆円程度の純資金流入が見込まれ、9兆2741億円となった前年からは減少するものの、モーニングスターの推計のある1998年以降の25年間で6番目になる見込みだ。2022年は、ロシアのウクライナ侵攻や欧米など主要国でのインフレ対応のための金融引き締めを受けて、世界的な株安・債券安に見舞われたが、金融市場が混乱する中でも、国内ファンドには高水準な資金流入が続いた。
「国際株式型」が3年連続のトップ、パッシブは流入増もアクティブは株安の影響受ける
2022年の国内公募追加型株式投信への純資金流出入額(11月まで、ETF除く)をモーニングスター大分類別に見ると、国際株式型が4兆3203億円の純資金流入となり、3年連続で全10分類中トップとなった。ただ、純資金流入額は前年の8兆3482億円から48.2%減少した。国際株式型をアクティブ、パッシブファンド別に見ると、アクティブの純資金流入額が1兆4519億円と前年の5兆8856億円から75.3%減少したのに対して、パッシブの純資金流入額は2兆8684億と前年の2兆4627億円から16.5%増加した。
2022年は世界的な株安に見舞われ、12月27日時点の年初来騰落率は、日本を除く世界の先進国の株価動向を示す「MSCI コクサイ・インデックス(米ドルベース)」が-19.59%、新興国の株価動向を示す「MSCI エマージング・マーケット・インデックス(米ドルベース)」は-22.13%となった。米国ではNYダウが-8.52%、S&P500が-19.66%、ナスダック総合指数が-33.82%となった。
国内ファンドへの資金流入のけん引役である国内株式型ファンドであるが、2022年はパッシブファンドへの旺盛な流入が継続する一方で、アクティブファンドは世界的な株安の影響を受けた。アクティブの中でも、ESG(環境・社会・企業統治)関連やテクノロジー関連をテーマとするファンドからの資金流出が目立った。
個別全ファンドの2022年の純資金流出入額(11月まで)を見ると、純資金流入額上位5ファンドを国際株式型が占めた。いずれも前年も純資金流入額の上位であったファンドである。うち、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」を除く4ファンドが米国株式もしくは世界株式への連動を目指すパッシブファンドであり、つみたてNISA対象ファンドである。「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の純資金流入額が前年比52.1%減となった一方、パッシブ4ファンドは前年比21.9%増の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を始め概ね堅調な資金フローとなった。国際株式型アクティブファンドが世界的な株安の影響を受けたのとは対照的に、パッシブファンドには長期スタンスの投資家の安定した資金の流入が続いた。(2)へつづく
提供:モーニングスター社
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