【為替本日の注目点】4月のPCEデータほぼ市場予想通り

為替

サーチナ

2024/6/3 10:37

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は157円台に乗せ、157円34銭まで買われる。米金利は低下したが、株価の上昇でリスクオンの流れが強まり、円が売られる。ユーロドルは引き続き1.08台で推移。ダウは4日ぶりに上昇し、500ドルを超える大幅反発。S&P500も大幅高になる一方ナスダックは小幅安。PCE価格指数が概ね市場予想通りだったことで債券は買われた。長期金利は4.5%前後に低下。金は反落し、原油は続落。

4月個人所得 → 0.3%

4月個人支出 → 0.2%

4月PCEデフレータ(前月比) → 0.3%

米4月PCEデフレータ(前年比) → 2.7%

米4月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.2%

4月PCEコアデフレータ(前年比) →  2.8%

5月シカゴ購買部協会景気指数 → 35.

マーケット情報

ドル/円  156.56 ~ 157.34

ユーロ/ドル 1.0840 ~ 1.0882

ユーロ/円  170.15 ~ 170.74

NYダウ  +574.84 → 38,686.32ドル

GOLD -20.70 → 2,345.80ドル

WTI  -0.92 → 76.99ドル

米10年国債 -0.047 → 4.499%

本日の注目イベント

中 5月財新製造業PMI

独 5月製造業PMI(改定値)

欧 ユーロ圏5月製造業PMI(改定値)

英 5月製造業PMI(改定値)

米 5月ISM製造業景況指数

米 5月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)

米 5月自動車販売台数

 先週末NY連邦地裁でトランプ前大統領に対して、陪審員団は「有罪」の評決を下しました。大統領経験者が刑事裁判で「有罪」の評決を受けるのは初めてのこととなり、11月の米大統領選にどのような影響が出るのか注目されます。実際の「量刑」は今月11日に言い渡されますが巷では、初犯であり高齢でもあることから情状酌量が正当化されるとみています。拘禁刑は避けられ、多額の罰金刑と執行猶予の可能性が高いとみられているようです。依然として熱狂的なトランプ支持者は別として、もしトランプ氏が有罪の評決を受けたら、「支持しない」あるいは「考え直す」と答えた有権者が、メディアの調査ではそれなりに多くいることから、支持率では現在僅差でリードしているとされるトランプ氏ですが、大統領選の行方はさらに不透明になってきました。仮にそれでもトランプ氏が再選されたら、司法への「報復」も懸念されます。バイデン大統領は有罪評決について、「誰も法を超越することはできない」と述べ、「ドナルド・トランプ氏を大統領執務室から閉め出す唯一の方法は、投票箱にある」とコメントしていました。

 4月の個人消費支出(PCE)価格指数は食品とエネルギーを除くコアでは、前月比で鈍化していましたが、概ね市場予想通りの結果でした。ただ、市場では米個人消費に対する先行きネガティブな見方も出て来ています。驚異的な粘り強さを見せて来た米個人消費も、実質可処分所得は過去1年間で小幅な増加にとどまっており、新型コロナウイルスのパンデミック期に積み上がった資金を、家計がほぼ使い果たしたことを示すデータも出ています。その結果、多くの消費者がクレジットカードやその他の資金調達手段に頼るようになっている。(ブルームバーグ)との見方も出ています。この傾向は今後のインフレ低下にとっては良いことですが、GDPの7割を占める個人消費の減速は米景気そのものに直結してくる可能性もあります。また、物が売れなくなれば労働市場の停滞にもつながりそうです。個人消費が今後、本当に鈍化していくのかも見て行く必要があります。

 バイデン大統領が発表した、イスラエルとイスラム組織ハマスとの「停戦案」を巡り、イスラエルのネタニヤフ首相は公然と批判し、受け入れる用意はないことを表明しました。ネタニヤフ氏は声明で、「戦争終結の条件は変わっていない。ハマスの軍事・統治能力の破壊と、全ての人質解放、ガザの脅威を取り除くことだ。こうした条件が満たされない限り、恒久的な停戦への同意は有り得ない」と述べています。バイデン大統領の「停戦案」は3段階になっており、第1段階では6週間の戦闘停止と人質の一部開放、第2段階では残りの人質全員の交換、そして第3段階は大規模な復興計画への着手という案になっています。このままではバイデン大統領の支持率の低下につながり、ネタニヤフ氏は最早、バイデン大統領の言いなりにはならない印象です。

 先週31日に発表された介入の実績では、やはり4月29日と5月3日には大規模な「ドル売り円買い介入」が行われたことが判明し、その規模も約9兆8000億円であったことが分かりました。それでも一時151円台まで急落したドル円の水準は、介入時点からそれほど変わってはいません。焦点は再びドル円が160円に近付いた際に介入を実施するのかどうかです。米財務省は日本の単独介入には「いい顔をしていない」ことも判明しています。

 本日のドル円は156円30銭~157円80銭程度を予想します。

(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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