<新興国eye>前週の上海株、中国電池メーカーの対米輸出禁止観測を受け4週続落=BRICs市況

新興国

2024/6/10 8:57

 前週(3-7日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで4週続落。7日は3051.28(5月31日終値比1.15%安)だった。

 週明け3日は指数が下落、翌4日は反発した。5日は反落、6日も続落した。

 週前半は、5月CAIXIN(財新)中国製造業PMI(購買担当者景気指数)が51.7と、4月の51.4を上回り、22年6月以来の高水準となったものの、反応薄となり、売りが優勢となった。市場ではPMIよりも貿易収支に重点を置いていることが背景。その後は、中国証券監督管理委員会(証監会)が陸家嘴(りっかし)フォーラム(8日)で、市場支援策を発表する方針を示したことが好感され、買いが優勢となった。また、最近の政府の支援措置が不動産セクターを安定させるとの観測で、不動産が上昇、上げを主導した

 週後半は、5月CAIXIN中国サービス業PMIが54と、4月の52.5や、好不況の分かれ目である50も17カ月連続で上回り、23年7月以来の高水準となったものの、これも反応薄となり、相場を押し上げるほどではなく、マイナス圏で終わった。その後は、米国の一連の雇用関連指標の発表を受け、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ開始が早ければ9月との思惑が強まり、アジア市場が上昇、香港市場は連れ高となったが、中国本土市場は失速した。

 週末7日は小反発。5月貿易統計で輸出が前年比7.6%増、輸入は同1.8%増と、輸出が堅調となったことが好感され、買いが優勢となった。ただ、米共和党議員グループがフォード・モーターや独フォルクスワーゲンと取引関係がある中国電池メーカーを対米輸出禁止リストに加えるべきと主張しているとの一部報道が嫌気されたため、上値は限られた。

 今週(11-14日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は12日の5月CPI(消費者物価指数)と5月PPI(生産者物価指数)など。10日は「龍舟節」の祝日のため、休場。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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