網屋・石田晃太社長インタビュー ―― 見通し明るく「2割成長を継続」

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2022/4/11 9:00

 網屋(4258)はデータセキュリティ事業、ネットワークセキュリティ事業を手掛ける。

 テレワーク需要を取り込んで業績が拡大。ストック売上高の増加もあって安定的な成長を続けている。グロース市場に上場するベンチャーの中でも、投資家にとって成長イメージが描きやすい企業として注目度が高まりつつある。足元の状況と中期的な展望について石田晃太社長に聞いた。

 ――昨年12月に株式公開。ビジネスモデルを教えてほしい。

 「当社は、企画から研究開発、プロモーション、セールスまで一貫して手掛ける垂直統合型モデルで、プロダクトやサービスを自社開発していることから収益力も高い。リカーリングの継続売上高が5割を占めるなどストック型の収益体質を構築していることも特徴だ」

 「事業は、情報を守るデータセキュリティ事業と、通信を守るネットワークセキュリティ事業を展開している。データセキュリティ事業の『ALog』は『サイバー空間のドライブレコーダー』的存在で、サイバー空間上にあるあらゆるオペレーションを記録し、内部不正を迅速に特定したり、サイバー攻撃の素早い検知ができる」

 ――2021年12月期は、テレワーク需要を背景にネットワークセキュリティ事業が高成長。非連結営業利益は前々期比39.4%増の2億6000万円となった。現状はどうか。

 「テレワーク関連の需要増などを背景に、通信セキュリティの需要は良好に推移している。ネットワークセキュリティ事業はテレワーク下での環境整備を背景に契約が拡大しており、売上高も2割成長を前提に順調に推移している」

 ――今期は営業利益で3億300万円(前期比16.3%増)を計画している。

 「今期予算は昨対比からすると成長率がやや鈍る見通しに見えるが、三か年中期計画との兼ね合いもあり、保守的な予想をしたまでだ。前年は第1四半期(1~3月)に大規模案件の売上計上があったため、今期はその反動が出るが、その特殊要因を差し引けば、今期も順調な成長が継続する見込み」

 ――ストック売上高の増加もあり、安定的な成長継続が見込まれる。中期的な見通しを教えてほしい。

 「まずは事業拡大を目的とした投資に注力して、売上高2割成長を中期的に継続する。データセキュリティ事業、ネットワークセキュリティ事業ともスケールをひと回り大きくさせ、M&Aも視野に入れた新中期経営計画を策定中だ。成長戦略としてネットワークセキュリティ事業における新ビジネス育成にも力を入れており、中でもクラウドカメラに手応えを感じている。クラウドカメラは、今春にもリリースできる見通しだが、既存の大手OEM(相手先ブランドによる生産)販路にも需要があり、拠点や設置台数の多いエンタープライズ層に対して販売できるハイエンドモデルを揃えているので競争力を持てるだろう。新分野では、クラウドカメラのほか、どこからでもどの端末でも安全に仕事ができる『ゼロトラスト』セキュリティソリューションや、中小企業のセキュリティ強化を遠隔から支援する『クラウドCSIRTサービス』もリリース予定だ」

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