海外株式見通し=米国、香港

【米国株】ポストIT、「FAANG2.0」に関心

 ロシアのウクライナ侵攻長期化が避けられそうもない見通しの中、5月上旬に米銀大手バンク・オブ・アメリカが出した顧客向けリポートが注目度を増している。

 それは、米国市場の主役が旧フェイスブックのメタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、グーグルのアルファベットの主要ハイテク企業を表す「FAANG」から、(1)燃料(Fuels)、(2)航空・防衛(Aerospace & defence)、(3)農業(Agriculture)、(4)原子力・再生可能エネルギー(Nuclear and renewable energy)、(5)金および非鉄金属・貴金属(Gold and other base & precious metals)を意味する「FAANG2.0」に交代するという内容のものだ。

 この「FAANG2.0」の考え方を指数化したものとして「ブルームバーグFAANG2.0価格リターン指数」がある。6月10日現在49銘柄で構成し、各5分野が20%のウエートで割り振られ、その中で個別銘柄が分野ごとに時価総額に応じてウエート付けされるという内容だ。

 構成銘柄に含まれる米国上場の北米企業を見ると以下の通りだ。「燃料」では、エクソンモービル、シェブロン、コノコフィリップスなどが入っている。「航空・防衛」は、レイセオン・テクノロジーズ、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマン、ゼネラル・ダイナミクス、L3ハリス・テクノロジーズなどを含む。「農業」は、ディア、ニュートリエン、モザイクなど農機や肥料関連が該当する。「原子力・再生可能エネルギー」は、ソーラーエッジテクノロジーやプラグ・パワーなどが名を連ねる。「金および非鉄金属・貴金属」には、ニューモント、フリーポート・マクモランなどがある。

※右の画像クリックでグラフ拡大

【香港株】中国企業の状況は?

 「ブルームバーグFAANG2.0価格リターン指数」の構成銘柄の中には、世界最大手のEV(電気自動車)向け電池メーカーの寧徳時代新能源科技(CATL)、養豚中国最大手の牧原食品(ムーユエンフーズ)、再生可能エネルギー発電の三峡新能源(China Three Gorges New Energy)および陽光電源(Sungrow Power Supply)の中国企業4社が含まれている。

 CATLは、6月14日時点で時価総額が約1兆元(約20兆円)に達する。同社の決算資料によれば、2021年の世界シェアは車載電池が約33%、蓄電システムが約19%。車載電池が売上構成比の約7割を占め、最大顧客の米テスラ向けが全売上の約1割を占めている。

 21年通期業績は売上高が前期比2.6倍の1303億元、当期利益が同2.9倍の159億元と急成長を遂げた。ただ、最近はリチウムイオン2次電池の原料となる炭酸リチウムなどの価格高騰が響き、22年1~3月期決算では、粗利益率低下により純利益が前年同期比24%減だった。

 ムーユエンフーズの21年通期業績は、売上高が前期比40%増の789億元、当期利益が同75%減の69億元。垂直統合型の事業モデルにより業績が豚肉価格変動の影響を受けにくいとみられるものの、18年に発生したアフリカ豚熱の感染拡大後の生産量激減で20年にかけて豚肉価格が高騰した中、昨年から一転して過剰生産による価格下落が顕著となったことが利益面に響いた。中国では養豚業の「スマート化」が進んでいる。AI(人工知能)やビッグデータを活用するほか、養豚用の高層マンションでの集中管理などによるコスト管理高度化が進展中だ

(フィリップ証券リサーチ部・笹木和弘)

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